障害者枠の求人で事務職を目指す方法を解説

2022年12月29日

事務職は障害者雇用枠での就職先として人気の高い業種です。この記事では、事務職として働くにはどういったスキルが必要か、障害者枠で事務職への新規就業や転職を目指すにはどういった方法があるかをご紹介していきます。

事務職に必要とされるスキル

まずは、事務職への就職、転職を目指すうえで持っていると有利になるスキルを紹介します。

PCスキル

事務職では表計算や文字入力といったPCスキルが要求される頻度が高く、PCがある程度扱えることを応募条件としている企業も多数見られます。取得することで有利になる資格としては、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、サーティファイ(Excel®表計算処理技能認定試験、Word文書処理技能認定試験など)が挙げられます。

各種資格を持っていなくても、過去の業務経験や職業訓練などでPCスキルを習得していれば、応募先に対してPCスキルをアピールすることは可能です。事務職は未経験者歓迎の企業もありますが、実務経験がある人は採用時に優遇されやすい職業でもあります。

具体的には、ブラインドタッチやメールソフトの扱い方といった基本的なPCスキルを習得しておくといいでしょう。また、文書作成や表計算などの各種ツールを一通り扱えるぐらいのPCスキルは習得しておきたいところです。

対人スキル

具体的な業務内容にもよりますが、事務職は電話対応や来客への応対、メールのやり取りなど、対人コミュニケーションを行う頻度が高い仕事です。事務職では職場の同僚と適切に連携、協力することも重要なので、総合的なコミュニケーション能力を備えていることが求められます。

直属の上司や他部署の人からのアドバイスを素直に受け入れることも重要です。事務職はあらゆる業種と関わり得る職業なので、スムーズに仕事を進めていくには優れたコミュニケーション能力が必要となります。

その他、事務職は敬語や挨拶、身だしなみといったビジネスマナーを習得しておくとスムーズに仕事が進めやすいです。ビジネスマナーは社会人に要求される基本的なスキルなので、社会人経験の有無にかかわらず習得しておくことをおすすめします。

広い業種の経験

業務の性質上、事務職は広範囲の業種のサポートをする頻度が高いです。営業、経理、総務など、事務職を募集している職種は多岐にわたります。そのため、それら幅広い業種の事務経験がある人は採用時に有利になりやすく、関連部署との連携も取りやすいといったメリットがあります。

事務職として就業することのメリット

事務職は書類作成や電話対応、来客の取次ぎなど幅広い業務を行う仕事であり、継続的に就業することでさまざまな知識、経験を習得することができます。事務職として就業するメリットを具体的に紹介していきます。

就業者自身に合わせた仕事を選びやすい

事務職はさまざまな職種、業種で募集されている職業です。医療系、製造業、IT系など、幅広い分野の企業が事務職を募集しています。

事務職の経験が豊富な方であれば、求人の数が多い分、自分にあった労働条件の求人を選びやすくなります。自身の過去の経験を活かせる仕事、自身のワークライフバランスに合った勤務地を用意している仕事、その他の待遇面でも満足のいく仕事など、全ての条件を満たした求人はなかなか見つけづらいものです。条件に合った仕事を見つけやすいことは、求職者の大きなメリットといえるでしょう。

専門的なスキルを習得できる

パソコンを用いた文書作成や請求書の確認など幅広い業務を行う事務職では、継続的に就業することで専門的なPCスキルを習得できるというメリットが期待できます。事務職は業務経験者に対する需要が高く、キャリアアップや関連業種への転職などを行う際にも役立つ技能を習得できる業種でもあります。

その他、書類作成や電話、メール対応など、社会人に必要とされるスキルを一通り習得できる環境が整っていることも事務職の特徴です。最初の就職先として事務職を選ぶ場合も、安定した状況下でキャリアアップを図っていけるというメリットがあります。

協調性が身につく

同僚や取引先と会話をする機会が頻繁にあるため、事務職の人は協調性を持って仕事を行う必要があります。データ入力や文書作成といったパソコンを用いる業務でも、仕事の依頼主や上司、同僚と連携しなければスムーズに仕事を進めることは困難です。

職場内や取引先との間で信頼関係を構築しておくと、仕事の質を高めていけるようになります。顧客のニーズに合わせた仕事ができるようになると、仕事の質を一段階向上させることが可能です。

事務職の障害者枠雇用を目指す方法

事務職は男女問わず就業希望者が多い業種です。厚生労働省が2019年3月に実施した統計によると、同年における事務職の有効求人倍率は0.48倍です。全職種の有効求人倍率が1.43倍であることから、事務職は競争の激しい業種であるといえます。障害者枠においても事務職は人気のある職業で、さまざまな公共機関や求人サイトなどで事務職の求人を見ることができます。本項では、障害者枠での事務職雇用を目指すための方法を具体的に紹介していきます。

ハローワーク

ハローワークは日本全国に存在する公的な機関です。公共職業安定所とも呼ばれ、求職者は誰でも、求人情報や職業訓練コースの検索、および応募が行えます。

求職申し込みはインターネットからも行えるようになっています。また、ハローワークで開催される面接会もインターネットから検索できるようになっています。障害者枠の求人を探す際には専門の相談員からアドバイスを受けられるほか、応募先によっては採用面接に同行してもらうことも可能です。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害を持っている人への就労支援および雇用支援を実施している機関です。全国各地にある行政機関や就労移行支援施設、医療機関といった施設と連携することで、利用者は就職時のサポートから定着支援までを総合的に受けられるようになっています。

利用料、相談料は無料で、障害の種類に合わせたサポートを受けられることが特徴です。東京都内にあるセンターは居住地、勤務先による利用制限が無いので、幅広い層の人が利用することができます。

求人サイト

インターネット上には、障害者枠の求人を専門に取り扱っているWebサイトが多数あります。各種求人サイトでは、事務職を含むさまざまな求人情報を検索、閲覧できます。合同面接会や職業トレーニングといった就業支援を実施しているWebサイトもあり、気軽に問い合わせしやすいことが特徴です。

人材紹介会社

人材紹介会社では、専門のアドバイザーがその人に合った求人情報を紹介します。企業側のニーズを踏まえて、書類選考や面接対策も行います。また、ハローワークや求人サイトにはない非公開の求人を抱えているケースもあるため、思わぬ好条件な求人に出会えるケースもあります。障害に合った職場探しがしやすいというメリットもあり、おすすめの方法です。

まとめ

事務職への就職や転職を目指すには、事務系の専門資格や関連業種における業務経験などがあると有利です。事務職は競争が激しい業種ですが、PC関連の専門的な知識を習得できる仕事でもあります。障害者枠で事務職への就業を目指す方は、各種公共機関、求人サイト、人材紹介会社などを活用し、まずは求人情報を収集するところから始めてみてはいかがでしょうか。