双極性障害の方が活躍しやすい仕事や働き方とは?

人は誰しも気持ちが高ぶったり、落ち込んだりすることがあります。双極性障害を抱えた方は、その気持ちの高ぶり(躁状態)や落ち込み(うつ状態)が大きく出ることがあります。近年では、双極性障害を抱える人が職に就き、お仕事をする機会が増えてきました。気持ちの波に上手に向き合いながら、双極性障害の方が活躍しやすい仕事や働き方について、まとめてみました。

双極性障害の方のよくある仕事上での困りごと

 双極性障害の症状には、気分が異常に高まる「躁状態」と、気分が落ち込んでしまう「うつ状態」があります。「躁状態」と「うつ状態」はそれぞれ異なる気分の状態ではありますが、急に気分が変化するというよりも、数週間や数か月~半年単位で気分の波が繰り返される傾向にあります。そのため、双極性障害は、今どちらの状態になっているかを把握することが難しい場合があります。まずは「躁状態」「うつ状態」における、代表的な困りごとを見てみましょう。

躁状態において

 双極性障害の方は、躁状態になると気分が高揚することから、日常の様々な行動に症状が現れてきます。よくある行動に、普段より早く目覚める、夜更かしする、一方的に話続ける、過信して勝手に仕事を進める、怒りっぽくなる、といったものがあります。このような行動が現れることから、よくある困りごととしては、

  • 職場内で、周囲と連携がうまくとれないまま仕事を進め、トラブルが起きる
  • 知らず知らずに疲労をため込み、体調不良に繋がりやすくなる

が挙げられます。

 また、躁状態が激しく長く続いてしまうと、その後のうつ状態も激しく長くなる可能性があります。「いつもより元気だから」「仕事が普段より進むから」といったような理由で、躁状態を放置していると、体調が悪化するリスクが出てくることも覚えておきましょう。

うつ状態において

 双極性障害の方は、うつ状態になると気分が落ち込み、日常の様々な場面において症状が現れます。よくある症状に、体がだるく疲労感が抜けない、出社するのが億劫になる、不安感にさいなまれる、意欲が湧かない、表情に変化がない、といったものがあります。このような症状からよくある困りごととして、

  • 職場内で、やる気がない・仕事が遅いと捉えられてしまう
  • ものごとを悪いほうにばかり考えてしまい、日常が辛くなる

といったようなことが挙げられます。

症状を緩和し今の職場を続けていく方法

双極性障害の方が上手に症状と向き合い仕事を続けていくためのコツをご紹介します。実際に双極性障害を抱えながらも、ご自身の体調と向き合い、安定して勤務を続けている方は多くいらっしゃいます。個人でできることもありますが、自分一人では気持ちの変化に気付くことが難しい場合もあるため、周囲の人のサポートを受けることも大切です。

睡眠時間、仕事量を個人でモニタリング

気分の変化に自ら気付くために、行動や症状を外在化します。

躁状態、うつ状態の際には、睡眠時間に変化が見られることが多くあります。毎日の起床時間・睡眠時間を記録してみましょう。1週間~数か月と記録を続けると、睡眠時間に違いが見えてきます。その際、普段と比べて睡眠が短い日が続くときは、躁状態になっている可能性があります。睡眠時間が短い時は、仕事を早めに切り上げる・余力があっても休憩時間をとる、といった対策を取り、うつ状態がひどくならないように備えましょう。

仕事量も同様に、日々どのくらいの量の仕事を、どれだけの時間をかけて行ったかをモニタリングしてみましょう。例えば、1時間ごとに行った仕事を記録します。日々の仕事量の増減を可視化することで、仕事量を調整することができ、職場での円滑なコミュニケーションに繋がります。

家族・医師などに、日々の体調の変化を共有

双極性障害の方が仕事を安定して続けていくために、信頼できる方の援助は大切です。援助を得るために、自分が今どの状態にあるかを理解してもらう必要があります。

医師には通院の際に、感じていることを正直に伝え、気分に応じたお薬を処方してもらい、症状に応じた対応方法を聞いてみるようにしましょう。

家族には双極性障害という障害について理解をしてもらうことが大切です。その上で仕事や育児、友人の話などなんの話でも構わないので、こまめにコミュニケーションをとり、日常のやりとりから体調の変化を感じ取ってもらいましょう。

上司や同僚に、仕事について定期的に相談

双極性障害の方は仕事のパフォーマンスに気分の波が影響することがあります。定期的に仕事の進捗や体調を上司に共有しておくことは、周囲への理解にも繋がります。障害を職場にオープンにする必要がありますが、仕事の進捗をこまめに共有することで、障害が原因で、仕事に支障がでている場合も理解してもらえます。社内に気分の波を把握してくれる人がいるだけで、大きな心の支えになります。

双極性障害の方が別の道を考えるタイミング

双極性障害の方で安定的に勤務できる方がいる一方で、障害を一人で抱え込んでしまい、仕事を続けていくことが難しく感じる方も中にはいらっしゃいます。現状を良くするための努力も大切ですが、身体のことを考えた時に、今の職場から離れる道を考えたほうが良い時もあります。

うつ状態がひどく、会社の欠勤が続く時

うつ状態がひどくなると、朝起きられなくなることや、気分の落ち込みから会社を欠勤してしまうことがあります。1日、2日ではなく、1週間以上にわたり欠勤が続く場合は、職場での働き方を見直すだけでは改善が見込めない場合があります。症状が悪化する前に、別の道を考えたほうが良いかもしれません。

職場内のコミュニケーションがうまくいかない時

躁状態とうつ状態では、仕事量に波が出る場合があります。躁状態だとやる気がみなぎりたくさん仕事をこなし上司からも評価される。うつ状態になるとやる気が感じられずサボっているように見え、周囲から非難されてしまう。職場から障害に対する理解を得られないと、コミュニケーション面での問題がよく起こります。コミュニケーションの問題は、更なるストレスに繋がり、体調悪化につながるケースもあります。

躁状態のまま、長期間にわたり仕事をしなければならない時

仕事内容や職場環境によっては、緊張状態や興奮状態が長時間に渡って続くことがあります。双極性障害の方に、躁状態が長期で続く環境は、あまりおすすめできません。躁の反動でうつ状態になり、体調を崩す危険性があることを考慮にいれないといけません。

現職がどうしても続かない場合の選択肢

安定的に勤務する双極性障害の方がいらっしゃる一方、体調を崩したり職場内でトラブルが発生したり、何らかの理由で現職を続けることが難しい方もいらっしゃいます。

今の環境で無理に何とかしようとはせずに、他の選択肢も頭に入れておいた方が良いかもしれません。

休職

体調を崩したときは無理をせずに、体を休めることも大切です。特にうつ症状がひどく出てしまった場合は、休暇をとることも考えましょう。休むことで周囲から白い目で見られる、戻った時に自分のポジションがなくなる、など不安に思うことがあるかもしれませんが、無理して仕事を続けて体を壊してしまっては元も子もありません。

就労を継続するための外部施設の利用

体調の回復が見込まれず、すぐに働くことが難しい場合は、障害者支援施設を利用することもできます。就労の支援施設にはいくつかの種類があります。その中の一つの就労継続支援事業所では、障害に理解ある専門スタッフからのサポートを受けながら通所することができます。施設によって仕事内容は異なります。給料をもらいながら通所することになるので、実践の場に近い形で、職場復帰に向けたトレーニングを積むことができます。

障害者枠での転職

勤怠は安定しているものの、気分の浮き沈みが激しいために、仕事で高いパフォーマンスを発揮できない、上司から評価され辛いなど、お悩みの方がいらっしゃると思います。現在、障害をクローズにして働かれている方であれば、障害者枠での転職を考えてみるのがいいかもしれません。自身の障害特性へ理解のある職場で働くことが、安定的な勤務へと繋がる傾向にあります。既に障害者雇用枠で働かれている方も、転職によって、より安定して働ける職場が見つかるかもしれません。現在の職場に不満を抱えているようであれば、検討してみてはいかがでしょうか。

双極性障害の方が活躍している仕事・職場

双極性障害の方は様々な職場で活躍しています。事務・エンジニア・企画・人事・経理など職種は多岐にわたり、メンバーレベルだけでなくマネジメントポジションにおいて活躍している方もいらっしゃいます。どの職場にも共通していることの中に、その人の障害特性を本人と周囲の人がきちんと把握し、良好なコミュニケーションがとれていることが挙げられます。職場が自身の生涯について理解を示していることで、本人は安心感を持って働くことができます。また、本人が気付かない体調の変化を職場の人が感じ取ることもあります。

双極性障害の方が障害者枠で転職を考える時は転職エージェントへの登録がおすすめ

障害者枠での転職をする際は、新しい職場における障害特性への理解が大切になります。転職エージェントは、求職者との面談を重ね、障害特性をきちんと把握し、客観的にその人にあった企業を紹介します。障害者枠での転職をお考えの際は転職エージェントに相談してみてください。