気分障害の人が自分にあった仕事を探すには?障害者雇用専門の転職エージェントへの登録がおすすめ

うつ病や双極性障害などの気分障害を発症すると、心身に不調をきたして日常生活が上手く送れなくなり、仕事をするのもままならないという状態になることがあります。十分な休養を取った後であれば、仕事に戻ることも可能ですが、症状を再発させないよう、働き方や仕事内容を調整する必要があります。今回は気分障害の方が安定して働くための仕事の選び方や働き方についてまとめました。

気分障害とは

気分障害とは、理由もなく気分が落ち込んだり、極端に高揚したりすることによって、日常生活に支障をきたす、精神障害のグループです。代表的なものに、うつ病と双極性障害があります。

 うつ病

強い悲しみ、興味や喜びの低下といった状態が、日常的なストレスや悲しい出来事に対して不釣り合いに重く、長く続くと、うつ病を発症していることが疑われます。注意力や判断力が低下する、今まで好きだったことが楽しいと感じられない、テレビを見たり家族や友人と話したりするのも億劫だと感じる、といった症状により、仕事や日常生活に支障が出ます。不眠や過眠、食欲不振または過食、頭痛や動悸、体の痛みといった身体症状が現れることもあります。うつ病を発症した場合、基本的にはまずは休養を取った上で、環境の調整と、薬物療法と精神療法を組み合わせた治療が必要であると言われます。

 双極性障害

気分が高揚する躁状態と、気分が落ち込むうつ状態を交互に繰り返す病気です。うつ状態になると、うつ病と同様に気分の過度な落ち込みがみられますが、一転し躁状態になると、口数が多くなったり、ほとんど眠らずに動き回ったりと活動的になり、ギャンブルや浪費など大胆な行動が増えます。本人は気分が良いと感じるため、病気であるという自覚がないこともあります。明らかな躁状態が見られる双極Ⅰ型と、躁状態の軽い双極Ⅱ型があります。薬物療法を中心として、自分が自分の障害特性を理解しコントロールできるようになること、再発を予防することを目的とした治療が行われます。

 その他の気分障害

気分障害には、うつ病と双極性障害の他、気分変調症や気分循環性障害などが含まれます。気分変調症は、うつ病の症状が、比較的軽く、2年以上の長い期間症状が続くものを言います。症状が長く続くことから、病気であるとの認識が欠如し、治療が遅れたり、うつ病に発展したりするおそれもあります。気分循環性障害は、双極性障害と似ているものの、躁状態とうつ状態の振れ幅が比較的小さく、期間も短いものを言います。気分の変動が、仕事の成果のむらを生んだり、人間関係でのトラブルに繋がったりすることがあります。双極性障害に発展するおそれもあります。

気分障害の方の仕事上でのよくある困りごと

気分障害を発病すると、今までと同じ調子で仕事に取り組めない、仕事に行くのが辛いと感じることがあります。具体的には以下のようなことが起こります。

 うつ病の方の場合

うつ病になると、意欲の減退、気分の不安定、注意力・判断力の低下といった症状により、仕事のパフォーマンスが落ちるようになります。特に、誤字脱字や作業の抜け漏れといったケアレスミスが多くなる、集中力の低下により作業効率が悪くなる、といったことが起きやすくなります。ストレスを感じやすく、不安でいらいらすることも多くなることから、離席することも多くなります。人との会話を避けがちになることから、職場の方とのコミュニケーションや電話対応がスムーズにできなくなることもあります。無気力になるなどの精神的な症状の他、不眠や体の痛みなどの身体症状も出ることによって、遅刻や欠勤が増える傾向があります。

双極性障害の方の場合

双極性障害の方は、躁状態になると、怒りっぽくなる、態度が大きくなるという傾向が見られ、人間関係でのトラブルを起こしやすくなります。人の意見を聞き入れずに、実行できそうもないことを引き受けてしまうこともあります。アイデアが次々と浮かんできて生産性が上がる方も一部いますが、気が散って仕事に集中できないという方も多いです。また、躁状態の時に、睡眠時間を削ってまで無理に働こうとすることで、反動でうつ状態に陥りやすくなります。

うつ状態になると、うつ病と同様に、仕事の作業効率が低下したり、出勤できなくなったりすることがあります。調子の良かった躁状態の時との差が大きいことから、周囲の人からの信頼を失うこともあります。また、本人は躁状態の時のパフォーマンスが「普通の時」であるように思っており、その時に比べてパフォーマンスの落ちている自分を必要以上に低く評価してしまう、ということもあります。

気分障害の方に向いている職種

気分障害の方は、十分に休養を取った後であれば、職場に復帰することができます。しかし、うつ病や双極性障害といった気分障害は、再発しやすい疾患です。体調の悪化を防ぎ長く安定して働くために、気分障害の方にあった職種を知っておくと良いでしょう。

職種選びのポイント

まずは職種の選び方のポイントを確認しましょう。

ノルマが厳しくなく、自分のペースでできる職種

気分障害の方は、気分や体調によってその日にできる仕事の量が変わります。うつ状態の時は無理せず仕事の時間を調整したり休みを取ったりする、躁状態の時は過度に働きすぎないようにするなど、その時の状態に合わせて業務量を調整することのできる仕事を選べると良いでしょう。厳しいノルマが定まっていない仕事だと、自分の裁量でペースを決められることが多いです。

勤務時間が不規則でない職種

睡眠や食事などの生活リズムを乱さないようにすることは、体調悪化や再発のきっかけを作らないために重要です。生活リズムを一定に保つためにも、勤務時間が不規則にならない仕事を選ぶと良いでしょう。また、十分な睡眠を取ったり、適度な運動をしたりする余裕の持てる職種を選ぶことで、日ごろからストレスを軽減していける可能性が高くなります。

対人業務の少ない職種

職場内外の人との間のコミュニケーションは、ストレス要因を作りやすいものです。対人業務の少ない仕事を選べると、体調悪化の原因となるストレスを回避しやすくなるでしょう。また、人間関係でのトラブルがきっかけで気分障害を発病した方や、躁状態の時にトラブルを起こしたことがある双極性障害の方にとっても、対人業務の少ない仕事は、苦手意識を持たずに取り組める可能性が高いでしょう。

気分障害の方にあいやすい職種

気分障害の方にあいやすい職種としては、以下のようなものが考えられます。

人事・総務や経理などの事務職

事務職は、定型業務が比較的多いため、勤務時間が不規則になりにくく、生活リズムを崩しにくい職種であると言えます。作業する日時を自分の裁量で多少調整することができる場合もあり、自分のペースで進めやすいと考えられます。対人業務も極端に多くなることはないでしょう。

軽作業

仕分けや梱包、ピッキングといった軽作業は、対人業務などのストレス要因が少なく、負担の小さい職種であると言えます。データ入力のように、PCを使った事務職に近い仕事もあります。ただしシフト制の場合は、勤務時間が不規則になるため注意が必要です。

ITエンジニア

対人業務が少なく、自分のペースでできるITエンジニアも良いでしょう。ただし、個人のノルマが多すぎないか、夜間対応が求められるなど不規則な働き方にならないか、という点に注意が必要です。

企画、デザイナー

企画やデザイナーなど、自己裁量で進める作業の多い仕事も、自分のペースで働けるという点でおすすめできますが、躁状態の時に仕事を入れすぎないように気を付けましょう。

逆に、対人業務が多く業務量の変動しがちな営業職や接客業、勤務時間の不規則になりがちな工場勤務や看護師といった職業は、気分障害の方に向いていない可能性が高いです。

気分障害の方にあった働き方

気分障害の方が安定して働けるかどうかは、同じ仕事でも、働き方の工夫次第で変わってきます。自分自身で気を付けるだけでなく、職場の方に適切に配慮してもらいながら、長期的に働ける環境を作っていきましょう。

障害の特性を、事前に職場の方に伝えておく

気分障害の方は、就職・転職や異動をしたタイミングで、職場の方に自分自身の障害の特性を伝えておくと、体調に合わせた働き方をしやすくなります。また、自分でも気付かないようなストレス要因や体調の変化に、周囲の方から気付いてもらえる可能性が高くなります。特に双極性障害の方は、怒りっぽくなる、多弁になる、といった躁状態のサインを事前に伝えておくと、気分の変化に早めに対処することができます。

業務量をコントロールする

その日の気分や体調に合わせて、業務量を調整すると良いでしょう。

うつ状態の時に無理してたくさんの仕事をこなそうとしても、余計に疲れてしまいます。うつ状態にある方は、物事を否定的に見る傾向にあるため、仕事を十分にこなせないからといって自己嫌悪に陥ることもあります。そのため、気分の優れない時は休ませてもらいたいということを、事前に職場の方に伝えておくと、無理をして体調を悪化させることも少なくなります。

逆に躁状態の時は、自覚なく長時間働いたり、過度に負荷の大きい仕事を引き受けたりしがちです。そうすると、体が疲れるというだけでなく、うつ状態を引き起こしやすくなります。そのため、長時間の残業をしていたり、仕事を抱え込みすぎていたりしたら声をかけてもらうように、事前に職場の方に伝えておくと、無理に働いてしまうことを防ぐことができます。

職場によっては、時短勤務や在宅勤務、フレックスタイム制を利用できることもありますので、必要に応じて活用できると良いでしょう。

上司と定期的な面談を行う

ストレスとなる要素が増えないようにする、業務量を調整するといった工夫をすることは、個人の努力だけでは難しい部分もあります。職場の方、特に上司との面談を行うことで、人間関係での問題や仕事上の責任の過度な重さといったストレス要因を取り除いたり、適宜業務量を減らしたりしやすくなります。またそのような面談の機会を、一週間に1回、月に1回、というように定期的に設けておくことで、些細なことでも話しやすくなります。

気分障害の方が自分にあった仕事を探すには、障害者雇用専門の転職エージェントへの登録がおすすめ

気分障害の方が、職場の方と相談して働き方を調整したり、働きやすい職種の仕事を探したりするのは、一人では難しいと感じるかもしれません。そんな時は、障害者雇用専門の転職エージェントに登録するのがおすすめです。

障害者雇用専門の転職エージェントに登録すると、専門のアドバイザーによる経歴と障害の状況のヒアリングと、適切な職種と本人に合う企業の提案を受けられます。また、障害者雇用枠での求人に応募できるため、面接の段階で障害のことを伝えた上で、就職・転職した後も適切な配慮を受けやすくなります。一人では自分に合った仕事を見つけるのが困難だと感じる方は、一度、障害者雇用専門の転職エージェントの利用を検討してみると良いでしょう。