障害者枠の職務経歴書の書き方|障害者雇用の転職エージェントが解説

2022年12月8日

職務経歴書とは、これまでの職務経験と、スキルや強みを確認するための書類です。転職活動で企業に応募する際に履歴書とセットで提出を求められることが一般的です。中途採用の場合、企業の採用担当者は履歴書よりこの職務経歴書を重視することが多く、転職活動を左右する重要な書類です。この記事では、職務経歴書の基本的な書き方から、書類通過率を高くするコツ、障害者枠ならではの工夫すべきポイントなどをご紹介します。

基本的な職務経歴書の書き方

職務経歴書には、履歴書と違って決まった書式がないため、工夫やアピールポイントを盛り込み、自分をPRしましょう。

まず、職務経歴書に記載する具体的な内容をご説明します。

職歴概要

一見して今までの経験とスキルが分かりやすいように分かりやすいよう、冒頭部分に過去の職務の概要・要約を記載しましょう。忙しい採用担当者に関心をもってもらい、最後まで職務経歴書に目を通してもらうため、掴みとして概要部分は重要です。簡潔に分かりやすく書くことを心がけましょう。

職務経歴

職務経歴には、社会に出てから今までの職歴を詳細に記載します。今まで身につけてきた経験やスキルを最も具体的に伝える項目です。

在籍した会社情報(社名、会社の規模、所属業界、事業内容、創業年など)、配属部署・役職、在籍期間、自分が行ってきた具体的な業務内容、成果を記載します。新しい会社から順番に書き、同じ会社でいくつか職歴がある場合は、古い順に記載しましょう。

業務内容

できるだけ具体的なエピソードや実績を記載し、採用担当者が、応募先企業で活躍している姿をイメージしやすい内容にしましょう。業績面での貢献や、リーダーの経験、社内表彰等もアピールポイントです。

活かせるスキル

「実務上、使えるスキルを持っているか」「即戦力として会社に貢献できるか」は採用を行う側にとって重要なポイントです。

職務経歴の中で、どのようなスキルを獲得してきて、そのスキルを応募企業でどのように生かせるのかを意識し、職業能力をアピールできる内容を盛り込みましょう。

自己PR

企業に自分の専門性や強み、スキルをアピールし、自分を売り込むための重要項目です。今までの経験や成果と、応募するポジションに求められるスキルを照らし合わせ、企業の視点に立ってPRする内容を作成します。志望動機や、心がけていることなども記載すると良いでしょう。

資格

資格は、自分の持っているスキルを具体的に証明してくれるものです。

職種に応じて求められるスキル・能力は異なるため、応募する求人の内容に応じて、関連する資格を優先的に記載しましょう。例えば、事務職であればPCスキル関連の資格、外資系企業であれば語学力を証明する資格等があると良いです。エンジニア職であれば使用言語などスキルの詳細も記載します。

書類通過率を高くするコツ

職務経歴書は、書類選考の結果を左右するとても大切な書類です。スキルや経験を持っていても、書類で選考落ちしてしまっては面接まで進むことができません。

ここでは、書類通過率を上げるためのポイントをご紹介します。

PCを使う

読みやすい職務経歴書に仕上げるためには、パソコンを使って作成するのが良いでしょう。文量が多くても、レイアウトを工夫することで分かりやすくなります。また、基本的なパソコンスキルもアピールできます。

枚数は2枚もしくは多くて3枚まで、枠一杯にぎっしりと書く

余白が多く、内容が薄い職務経歴書では、採用担当者に意欲が伝わりません。ダラダラと長い文章は読みにくくNGですが、適切な文字数でしっかりとアピールし、「会いたい」と思わせる職務経歴書を作成することが大切です。A4サイズ1〜2枚程度、多くても3枚までにおさめ、枠内は余白がないよう記入しましょう。

項目ごとに枠線や番号を使って分類し、見やすくする

PCを用いて作成するメリットの1つは、レイアウトを工夫して見やすく仕上げられることです。読み手の視点に立って、項目ごとに統一した枠線や番号、括弧を用いてスッキリとした見た目にすることをおすすめします。行頭や行末を揃えると見栄えが良くなります。できるだけ箇条書きにし、長くなりがちな文章は表などを用いて簡潔にまとめましょう。

字のサイズや濃さを工夫し、抑揚をつける

上記の項目分けや箇条書きに加え、文字サイズを変更することで、抑揚のある職務経歴書になります。誰が見ても読みやすいように、文字サイズが小さすぎないか確認をします。もちろん、誤字脱字がないかもチェックが必要です。

障害者枠ならではの工夫すべきポイント

障害者雇用枠の職務経歴書では、企業とのミスマッチを防ぎ、採用側の正しい理解を得るために、一般的な職務経歴書の内容に加えて、障害に関する記述を入れることを推奨します。履歴書に記載している場合、職務経歴書への記載は必要ありませんし、別紙にまとめてもOKです。具体的な内容は以下の通りです。

障害者枠で応募する際の基本情報

障害の診断名、障害者手帳の分類と等級、手帳の取得年月日は障害者枠で就職・転職をする際の基本情報です。正確に記載しましょう。

障害の詳細や業務上の課題・対処

「問題なく業務を遂行し、会社に貢献できるか」は採用側が選考において最も気にするポイントです。業務上どのような課題があり、どのように対処しているかを整理し伝えることは、自己理解・自己管理ができているかどうかの評価基準になります。また、採用側もどのようなフォローができるかを明確にすることができます。

過去の仕事が原因で精神疾患を発症した経緯がある方は、その経緯を企業側に伝えることで、同様の状況になることを避け、再発を予防できます。

障害のことを企業に正しく伝え、相互理解を深めることが、採用された後の働きやすい環境につながります。

必要な配慮

企業には、障害の有無にかかわらず従業員が平等に働き能力を発揮できるよう、一人ひとりの障害特性に合わせた合理的配慮を提供する義務があります。必要だと思われる配慮項目があれば、記載しましょう。

具体的には、以下のような配慮項目が見られます。

  • 主治医の出勤が平日のみのため、通院の配慮をいただきたい
  • 時差通勤や短時間勤務など、勤務時間の配慮が欲しい
  • クレーム処理や電話対応は避けたい
  • 抽象的な言葉の理解が困難なため、曖昧な表現を避けて明確な指示をいただきたい

必要な配慮は人によって様々です。安定して働くためどのような工夫ができるか分からないという方は、転職エージェントなどに相談しましょう。

職務経歴書の書き方が不安な方は転職エージェントへの登録がおすすめ

今回は、職務経歴書の基本的な書き方やポイントについてご紹介してきました。

障害者枠に特化した転職エージェントでは、無料で職務経歴書の内容のアドバイスや添削などのサービスを受けることができます。職務経歴書作成に不安がある方は、転職エージェントに登録し専門のキャリアアドバイザーに相談することをお勧めします。