精神障害者に向いている仕事や職種は?障害者雇用のポイントを解説

精神障害を抱えている方の中には、不安を抱きやすかったり気分が落ち込みやすかったりして、働きにくさを感じている方も多いのではないでしょうか。精神障害で働き方について悩んでいる場合は、雇用枠や仕事内容を見直した方がいいかもしれません。今回は、精神障害を抱えている方の就職・雇用状況や向いている仕事について解説していきます。

精神障害者は障害者雇用で就職しやすくなっている!

厚生労働省の「令和元年度障害者職業紹介状況等」によると、精神障害者の就職率はここ10年で約13%上昇しており、就職件数は約4.5倍にも増えていることがわかっています。このことから、精神障害者は以前よりも就職しやすくなっていることが読み取れるでしょう。

精神障害者が就職しやすくなった理由としては、「障害者雇用促進法」の改正が挙げられます。この法律によると、企業はその規模に応じて一定数の障害者を雇用することが義務付けられています。以前は身体障害者と知的障害者のみが対象となっていましたが、2018年の法改正により精神障害者も障害者雇用促進法の対象と明記されるようになりました。これにより、今後ますます精神障害者が就職しやすい企業は増えていくことが予想されます。

今まで精神障害が原因で仕事ができなかったという方も、障害に対して理解のある企業や障害者雇用枠が増えた今なら、自分らしく働ける企業が見つかるかもしれません。

精神障害者の雇用状況

精神障害者の方が就職しやすくなっている近年、精神障害者の雇用状況はどうなっているのでしょうか。ここからは、精神障害者の雇用状況について詳しくみていきましょう。

精神障害者の求職者・就職件数は過去最高

精神障害者の新規求職申込み件数はここ10年で年々増えてきており、令和元年の時点では約10万人の方が新しく就職先を探している状態です。それにともない就職件数も年々増えており、令和元年は約5万人の方が就職していることがわかっています。10年前の平成21年の時点では新規求職者が3万人、就職件数が1万人だったので、どちらの数値も増えていることが読み取れます。

令和元年の求職者・就職件数は、ともに過去最高水準です。その背景には、障害者雇用促進法の改正による精神障害者雇用の促進だけではなく、企業や世間の障害に対する理解が深まっていることも要因として挙げられるでしょう。

精神障害者の職場定着率は非常に低い

就職率が高くなっている精神障害者ですが、残念なことに職場定着率が非常に低いことが問題になっています。

厚生労働省の「雇用動向調査 」によると、労働者全体における2017年の平均離職率は14.9%でした。一方で、2017年に行われた「独立行政法人 高齢・障害・求人者雇用支援機構」の調査によると、精神障害者の1年後の離職率は50.7%だということがわかっています。たとえうまく就職ができたとしても、企業の配慮が足りない場合や仕事内容が合わない場合は、仕事を続けることができないケースが多いのです。

精神障害者の5割が障害者雇用で就労している

独立行政法人 高齢・障害・求人者雇用支援機構の調査では、精神障害者の51%が障害者求人で雇用されており、16%が一般求人障害開示、32%が一般求人障害非開示で雇用されていることがわかっています。精神障害者はほかの障害と比べると障害をクローズにして就職する方の割合が高く、そのせいで環境が合わずに離職してしまう方が多くなってしまう傾向にあります。

精神障害者の中には、障害をオープンにして求職をすることに抵抗を抱く方もいるかもしれません。しかし長期的な就労を望むのであれば、障害に配慮してもらえる企業を選ぶことは非常に重要です。

精神障害者に向いている仕事や職種

それでは、精神酒害者の方が求職活動をするときは、どのような仕事や職種を検討したらいいのでしょうか。ここからは、精神障害者に向いている仕事について紹介していきます。

①自分のペースで進められる仕事

精神障害者には不安や焦燥感を抱きやすい方が多く、スケジュールがタイトな仕事やノルマなどに追われる仕事を苦手とする傾向にあります。具合が悪くても無理をしてしまう方も多いので、自分のペースでこなせる仕事の方が向いていると言えるでしょう。

例えば、自分のペースで進められる仕事として、以下のようなものが挙げられます。

  • ドライバー
  • 研究職
  • ルート営業
  • 警備員や施設管理
  • 人事や総務などの事務職
  • クリエイター
  • 職人
  • 自営業

誰かの指示やノルマに従う仕事だと、精神障害者はプレッシャーを感じて体調を崩してしまいます。ある程度、自分の裁量で働ける上記のような仕事の求人を優先的に探してみましょう。

②テレワークでできる仕事

テレワークで働ける仕事も、精神障害者の方に向いている仕事です。通勤や人間関係によるストレスを感じにくく、体調に合わせて業務ができるところが大きなメリットです。近年はテレワークで働ける仕事が増えてきており、以前よりも求人を探しやすくなりました。

例えば、テレワークでできる仕事として、以下のようなものが挙げられます。

  • データ入力などの事務職
  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • Webデザイナー
  • ライターや編集者

最近は、電話やEメールなど非対面でコミュニケーションを取りながら集客する営業職である、「インサイドセールス」をしている企業も増えてきています。企業によってテレワークを許可している仕事は異なるので、上記の職業以外にも気になる職業がある場合はチャレンジしてみてもいいでしょう。

③障害への配慮がある企業での仕事

紹介してきた仕事以外にもやりたい仕事がある場合は、企業がどれほど配慮してくれるのかを確認した上で応募を検討しましょう。一口に障害者雇用と言っても、企業によって配慮の度合いは全く異なります。残念ながら障害者雇用の制度が名ばかりで、実際には受け入れ体制が整っていない企業も中にはあります。「体調不良の日や通院日は休める」「業務内容を相談しながら決められる」など、障害に合わせて柔軟に対処してくれる企業を選んでください。

障害者雇用であっても、キャリアアップを支援してくれる体制が整っている企業も多く存在しています。ただし、そういった優良企業を自分で見つけることは難しいため、転職エージェントや支援機関のサポートを受けながら求職活動をしていきましょう。

精神障害者が就職・転職活動をするときのポイント

精神障害者が就職・転職活動をするときは、どのような点に気をつければいいのでしょうか。最後に、精神障害者が就活を成功させるためのポイントについてみていきましょう。

①無理のない採用枠・雇用形態にする

精神障害者が就職をするときは、採用枠や雇用形態をどうするのかについてしっかりと考えておく必要があります。障害者雇用であれば通院時や体調不良時に配慮してもらえるようになりますが、一般枠と比べると求人数が減るので求職活動に時間がかかるため注意が必要です。また正社員は給与が高い分、長時間の勤務や責任の高い仕事が求められるので、症状によってはパートや契約社員の方が向いていることもあります。

どちらがいいかは人それぞれです。主治医や支援機関と相談しながら、ご自身に合った採用枠や雇用形態を選ぶことが大切です。

②障害の症状を理解しておく

精神障害者の方が働く上で大切なのが、ご自身の症状を理解しておくことです。

  • どのような症状があるのか
  • どんなときに症状が出やすいのか
  • 症状が出たときはどう対処するといいのか

上記のポイントを整理しておくと、仕事を始めたときに体調をコントロールしやすくなります。また、オープンで求職活動をするときにこの情報を伝えられると、「自分を客観視できている」と企業に安心感を与えることができます。

③障害者手帳の有効期限を確認しておく

もしも障害者雇用枠での就職を考えている場合は、障害者手帳が必須となります。就職活動中に期限が切れてしまいそうな方やまだ障害者手帳を取得していない方は、求職までに間に合うように更新や申請をしておきましょう。

障害者手帳の有効期限は、取得から2年です。期限が切れてしまうと障害者雇用枠に応募できないので、早めに更新手続きをしておいてください。

精神障害者にぴったりな仕事を探すなら転職エージェントへ

精神障害者の方は以前と比べると就職しやすくなっていますが、就職後の離職率が高く仕事が続きにくい傾向にあります。早期離職をしないためにも、障害者雇用や精神障害に向いている仕事の求人を探すようにしていきましょう。

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