障害者の転職で資格は有利になる?おすすめ資格と資格取得サポートをご紹介

2022年12月8日

障害への理解が深まってきているとはいえ、転職活動がなかなかうまく行かなくて悩んでいる障害者は少なくはありません。中には、少しでも企業へアピールするために資格の取得を考えている方もいることでしょう。

障害者が転職活動を進めるときは、どのような資格を持っていると有利になりやすいのでしょうか。今回は、障害者の転職で有利になる資格について解説していきます。

資格を持っていると障害者の転職は有利になる?

そもそも、障害者の転職で資格は役に立つものなのでしょうか。確かに資格はアピールポイントになりますが、専門性の高い資格でないと合否を大きく左右するほどの効力は持ちません。たとえば、宅建やファイナンシャルプランナーといったように資格がないとできない仕事であれば、資格の有無が合否に大きく関わってきます。しかし一般事務に応募する場合、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の有無が合否を左右することはないのです。

ただし、障害への理解が深くない企業の場合、面接や職務経歴書から応募者の能力が強みを正しく判断できないことがあります。そういったときに資格を持っていると能力の裏付けとなり、信頼性も上がってアピールになることがあります。また、向上心があることもアピールできるため、「業務知識を深めるために資格を取った」と伝えることで意欲の高さを理解してもらえることがあるかもしれません。

障害者の転職を有利にする資格

ここからは、障害者の転職を有利にする可能性がある資格についてご紹介していきます。ジャンルごとにご紹介していくので、希望する業界に合わせてチェックしてみてくださいね。

①事務系の資格

事務系の仕事に就きたい方には、以下の資格がおすすめです。

  • 日商簿記検定
    日商簿記は、日常的な経理処理や決算書の作成などの実務的な知識を学ぶ資格です。初級・3級・2級・1級の4段階になっており、試験科目も難易度も異なります。受験資格はとくになく、誰でも受験が可能です。転職でアピールできるのは2級からと言われていますが、3級であっても意欲やポテンシャルをアピールする効果は十分にあります。
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト
    先ほど大きく合否を左右することはないとご紹介しましたが、MOSを持っていれば事務職の転職が有利に進む可能性はあります。MOSとは、マイクロソフトのオフィス製品であるWord・Excel・PowerPoint・Access・Outlookの操作ができることを表す資格です。事務職では、オフィスソフトが使えるか使えないかで作業効率が変わってきますよね。したがって同じ条件の応募者が来たとき、MOS資格を持っている応募者を採用することは十分にありえるのです。
  • ビジネス能力検定
    ビジネス能力検定は、ビジネスパーソンに求められる能力を認定するために検定試験です。事務だけではなく営業や営業企画、生産管理にも役立ちます。1級レベルになると役職レベルのマネジメントスキルや交渉力、財務などの知識も必要となるので、キャリアアップの意欲が高いことをアピールできます。
  • 秘書検定
    秘書検定は、秘書に求められる知識や技能について問う資格のことです。一般常識や敬語の使い方、電話対応やビジネス文書の作成が身につくので、社会人としての知識が備わっていることをアピールする効果があります。2級は60%、1級でも40%と非常に合格率が高いため、気軽に取りやすくておすすめの資格です。

②IT系の資格

IT系の仕事に就きたいのであれば、以下の2つの資格がおすすめです。

  • 基本情報技術者
    情報処理技術者としての知識や技術が一定水準以上であることを示す資格です。
  • ITパスポート
    IT技術者としての基本的な知識を身につける試験です。

基本情報技術者は国家試験なので、よりアピールしたいのであれば基本情報技術者の方がおすすめです。ITパスポートは入門編のような位置づけなため、ITパスポートを取ってから基本情報技術者を取ると内容を理解しやすくなるでしょう。

③不動産系の資格

不動産業界で働きたいのであれば、宅地建物取引士の取得がおすすめです。不動産業界では言わずと知れた資格で、宅建を持っていると資格手当がついたりキャリアアップしやすかったりと、メリットが豊富です。

難関国家資格で合格率は15%前後ですが、不動産業界への就職を必ず有利にしてくれます。宅建を持っていないと受けられない資格もあるので、不動産業界に転職する方はできれば取っておきたい資格です。

④金融系の資格

金融業化に就職したい方には、以下の2つの資格がおすすめです。

  • FP(ファイナンシャルプランナー)
    FPは、お客さんの夢や目標を達成するために資金計画を立てる支援をする専門家のことを指します。税制や不動産、住宅ローンや保険、年金などお金に関する幅広い知識が求められます。証券会社や銀行、保険会社などの金融業界だけではなく、不動産業界への就職にも有利に働くでしょう。
  • 証券アナリスト
    証券アナリストは、証券投資に置いて市場を分析・調査する専門家のことを指します。主に証券会社で働き、資産運用をするすべての人に投資に関するアドバイスや管理サービスを提供していきます。

資格ではないが、公務員試験もおすすめ

資格ではありませんが、障害者の転職で非常におすすめなのが公務員です。積極的に障害者用をしていますし、雇用と収入が安定しているため、障害者への心理的な負担が非常に少ないところが大きなメリットです。

民間企業では障害の悪化や成果によっては解雇されることがありますが、公務員はそういった心配がありません。また、公務員は成果によって給料が減額される心配もないので、精神障害などで休みがちになってしまう方でも安定した収入が得られます。何より、公務員は障害に対する理解が深い職場で働けることが大きなメリットです。

公務員になるには「筆記試験」と「面接」で構成された公務員試験に合格する必要があります。簡単な試験ではありませんが、近年はオンラインで受講できる公務員講座もあり、障害を持っていても対策がしやすくなってきました。ぜひ民間企業だけではなく、公務員として働くことも一つの選択肢に加えてみてくださいね。

障害者の資格取得なら職業訓練がおすすめ

職業訓練とは、求職者が働く上で必要になるスキルを学べる講座を受講できるシステムのことです。厚生労働省主導で実施されており、都道府県による「公共職業訓練」と、連携した民間企業が運営する「求職者支援訓練」の2種類があります。

職業訓練では、簿記や医療事務、プログラミングなど幅広い講座を受講することが可能です。ただスキルを学ぶだけではなく、ビジネスマナーや履歴書などの書き方を相談できたり、講座後はスキルに合った就職先の紹介を受けられたりするメリットがあります。

受講料は基本的に無料で、一定の条件を満たすことで月額10万円の手当を受けながら勉強することも可能です。独学で勉強するよりも金銭的負担が圧倒的に少ないので、休職中でお金がない方でも安心して講座を受けられるでしょう。ハローワークで案内してもらえるので、気になる方はぜひ相談してみてくださいね。

資格以外で転職を有利にしたいなら転職エージェント

まだまだ障害への理解がない企業では、障害者が面接や書類審査だけで正しく能力を判断してもらうことは難しいです。資格を持っていると意欲のアピールや能力の裏付けになるので、転職活動がうまく行かないときは資格の取得も選択肢の一つに加えてみてくださいね。

転職活動に不安がある場合は、求人の紹介から選考対策、入社後のサポートまで行っている転職エージェントの利用がおすすめです。ココピアでは、障害を持っている方の転職サポートを行っています。ぜひお気軽に、転職のお悩みをご相談くださいね。