パニック障害の人が就職するためには? 就職や仕事を円滑に進めるポイントを解説!

近年では、障害を持っている人も社会活動に参加できるような動きがみられるようになりました。この記事では、パニック障害のある人が就職する上での注意点や面接のポイント、円滑に仕事に取り組むための対処法などをご紹介します。

 

パニック障害とは

パニック障害とは、発作を伴う不安症の一種です。ここでは、パニック障害の詳しい症状や起こるタイミング、治療法などをご紹介します。

パニック障害の症状

パニック障害における症状は、「パニック発作」「予期不安」「回避行動」の3つがあります。

パニック発作

突然、強い不安と共に激しい動悸やめまい、息苦しさ、発汗、手足の震えなどが起こる症状です。呼吸困難になり、倒れたり救急車で搬送されたりすることもあります。
パニック障害と気づかずに内科系の診察を受けてしまうことも多く、また発作が収まると症状がなくなることから、誤診や誤解を招きやすい症状です。

予期不安

「パニック発作が再発するのではないか」と恐れる症状のことです。日々の生活の中で、どのタイミングで発作が起こるのか判断しづらい場合は、常に不安にさいなまれてしまいます。そのため、過度のストレスがかかり、睡眠障害などの二次障害を引き起こす場合もあります。

回避行動

発作が起こりそうな場所や状況を避ける症状のことです。回避行動によって、一人での外出や人混み、公共の乗り物やエレベーターなどが利用できなくなった状態を「広場恐怖」と呼びます。

パニック障害が起こるタイミング

発作が起こる厳密な原因は明らかになっていませんが、ストレスなどの心身の不調や、環境、脳神経機能の異常などが発作の引き金になっていると考えられています。
また、パニック障害を持つ家族がいる場合、発症リスクは高まるとされており、遺伝的な要因も関係すると考えられています。

パニック障害の治療法・改善法

パニック障害の治療法は、主に「薬物療法」と「精神療法的アプローチ」を併用して行われます。
薬物療法では、パニック発作の抑制と予期不安、広場恐怖の軽減を目標に、「SSRI」を始めとする抗うつ薬と、抗不安薬の一種である「ベンゾジアゼピン系薬剤」を用います。薬の効果を確認しながら量、薬を調整します。
精神療法的アプローチとは、この病気に関して正しく理解するための心理教育や、不安受容の姿勢をつちかう「森田療法」、不安のコントロールを目指す「認知行動療法」などを用います。

また、パニック発作を起こしにくい状態を作るために、規則正しい生活、十分な睡眠、ストレス解消を心がけ、自律神経を安定させるようにすることが有効です。低血糖や蛍光灯、熱気や湿気なども誘発要因になる可能性があるため、これらの要素は避けるようにしましょう。
なお、治療は、初めてパニック発作を起こしてから2、3か月以内に行うことが求められます。この時期に治療をせずにいると、症状が悪化し発作の頻度も多くなる場合があります。

 

パニック障害の人の就職のポイント

ここでは、パニック障害の人の就職先の選び方のポイント、適切な職業についてご紹介します。

就職先の選び方

就職先を選ぶ際は、勤務時間にある程度の自由が認められる会社を選びましょう。ラッシュアワー時の通勤はパニック障害を持つ人にとって負担になりやすいため、出社時間の調整を行う必要があるからです。また、予期不安や発作により欠勤や遅刻をしてしまった場合に、フォロー体制が整っている企業だとなお安心でしょう。正社員として就職する前に、シフトの融通が利きやすいアルバイトやパートから始めるのも1つの手です。

また、自宅から職場までの距離も考慮すると良いでしょう。通勤時間の長いとストレスがかかりやすく、発作を誘発することもあります。閉塞感のある電車やバスはなるべく避け、自宅から近い距離に職場や、徒歩や自転車圏内の仕事をおすすめします。

そのほか、上司の人柄、職場全体の雰囲気も重要な要素です。障害や発作に理解があり、相談しやすい環境であれば、勤務時の不安感も軽減されるでしょう。

なお、「精神障害者保健福祉手帳」を取得できれば、障害者雇用枠での就職が可能です。

向いている仕事

パニック障害を持つ人にとって、なるべくストレスのかからない職種を選ぶことは重要です。パニック障害と言ってもその症状や程度は人によってさまざまですが、以下に主な例を3つ挙げます。

デスクワーク

身体を使ったり、変則的な勤務体制で体調を崩しやすかったりする人は、デスクワークがおすすめです。座り仕事が多いため体力を使わず、基本的に日勤であることから生活リズムが掴みやすい仕事でしょう。また、ノルマがなく定型的な仕事が多いため、精神的なストレスも少なく済みます。

シフトの融通が利きやすい仕事

コールセンターなどシフトの融通が利きやすい仕事もおすすめです。勤務開始時間や勤務時間に融通が利くことから、ラッシュアワーの通勤を避けたり、身体に負担にならない程度の時間で働いたりできます。ただし、このような会社の場合、ノルマが設定されていることもあるため注意しましょう。

在宅仕事

在宅でできる仕事もおすすめです。昨今はインターネットの普及により、ネットを使った在宅での仕事の幅が広がっています。通勤やオフィスでの仕事にストレスを感じる人は、ぴったりの労働形態でしょう。体調を崩してもすぐに休憩をとったり、横になったりすることができるため、自分のペースで仕事が進められます。

 

面接のポイント

では、パニック障害を持つ人が、面接に際して心がけるべきポイントは何でしょうか。ここでは、重要なポイントを3つご紹介します。

まず1つ目は、自身がパニック障害であることを隠さず伝えることです。あらかじめ伝えておくと、就職後に仕事に困難が生じた際に相談できたり、障害に対する会社の考え方を入社前に知っておけたりすることができます。

2つ目は「自分ができること」と「できないこと」を伝えることです。得意・不得意なものがあることを相手に理解してもらえれば、能力を発揮しやすい職場環境に調整するなど、企業も工夫がしやすくなるでしょう。
特に、できないことについては「このようなサポート、配慮があればできる」ということを前向きに伝えることで、「障害があってもこの会社で働きたい」という意欲的な姿勢を相手にアピールすることができます。
そのため、自分の症状の正しい理解は必要です。仕事を想定した場合に「できること」と「できないこと」、苦手な場面、対処法などを整理しておきましょう。

また、聞きたいことを積極的に質問することも重要なポイントです。面接は職場環境や人間関係などの現場の様子を知るチャンスであるため、不安や疑問に思うことを遠慮せず確認しましょう。

 

仕事を円滑に進めるポイント

面接を通って内定をもらえたら、いよいよ業務開始です。ここでは、仕事を円滑に進めるポイントをご紹介します。

パニック障害の原因探しをしない

パニック障害を持つ人の中にはパニック発作を恐れるあまり、原因を探したり、分析しようとしたりする人がいます。しかし、発作は「理由なく突然に」起こる場合も多く、明確な原因を特定することは難しいものです。延々と原因を探して、頭を悩ませるよりは、不安や恐怖が起きた時にどう対処するべきかをよく考えることが大切です。

支援機関・医療機関を頼る

パニック障害を持つ人は、必ず病院に通うようにしましょう。かかりつけ医に日常生活の様子を話すことに加え、職場や仕事のことも話すことも大切です。医師から、仕事に関する不安や悩みに対して、有益なアドバイスをもらえることもあるでしょう。
また、話すという行為だけでも不安の軽減に繋がる場合があります。そのほか、精神保健福祉センターや就労移行支援事業所などの支援機関を利用を検討しても良いでしょう。

カフェイン・お酒・タバコは控える

カフェインやお酒、タバコはなるべく控えましょう。コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどには、パニック発作を悪化させるカフェインが含まれています。タバコやお酒には不安を和らげる「抗不安作用」がありますがその効き目は短く、すぐに気分の悪化を招くことがありますので注意が必要です。

職場に理解を求める

医師やカウンセラー、支援機関の支援を受けつつ、職場に対して可能な限り障害についての情報を開示しましょう。情報開示をして理解を求める際、医師や支援者のバックアップがあれば、1人で対峙するよりも、職場の人たちのより良い理解と説得力になります。

 

まとめ

この記事では、パニック障害の概要から、症状の種類、治療法、仕事の探し方などをご紹介しました。希望する会社が、障害に対して充分な配慮を得られる会社であるかを見定めるためにも、面接では伝えるべきこと、聞くべきことをしっかり押さえましょう。そして職場でのパニック障害とのよりよい付き合い方を心得、継続的な就労を目指しましょう。