車椅子の方に適した仕事とは?職場の探し方やおすすめの業種を紹介

2022年12月8日

車椅子での生活を送っている方の中には、車椅子用の設備や環境が整った職場への就職・転職を検討している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、車椅子への配慮が整った職場の探し方と、業務内容や就職実績から見たおすすめの業種についてご紹介します。
車椅子を利用している状態で就職・転職を検討されている方の参考になれば幸いです。

車椅子の方が仕事を行う際の課題

日常的に車椅子を使用している方が就職・転職を検討する際には、車椅子に対応した配慮が整っている企業を探すことが何よりの課題です。
ここでは、車椅子の方が就職活動で直面しやすい課題と解決策を解説します。

車椅子用の設備

車椅子用のスロープやトイレなど、バリアフリー設備が整っている企業は車椅子の方にとって働きやすい職場だといえます。
勤務場所が2階以上になる企業では、エレベーターが利用できることが必須条件になるでしょう。

また、車椅子に乗った状態では、道幅の広さや段差などによって移動効率が大幅に変わります。
車椅子に乗っていてもスムーズに移動ができれば、業務効率や仕事に対するモチベーションなどを向上させる効果が期待できます。

車椅子に対する理解・協力

車椅子を使用している方の就業に対して理解がある企業では、移動スペースを確保できるように物の配置を変えたり、エレベーターを利用しやすいように勤務時間を調整したりするなどの配慮がされています。

車椅子の方は通勤や職場内における移動に時間が掛かるケースが多く、職場環境によっては通勤や仕事をスムーズに行うこと自体が困難です。
車椅子に乗る理由や通勤への影響などを理解し、適切な配慮を行う企業は、車椅子の方にとって働きやすい職場だといえるでしょう。

車椅子に乗る理由や必要とされるサポートの情報は、面接時に自分から担当者へ伝達し理解・協力を得る必要があります。
障害内容や企業によっては、自動車通勤や時差出勤の許可といった配慮を受けられる場合もあります。

障害の内容や特徴、どういった仕事を得意とするかを面接時に正しく伝えて、職場が必要なサポートを検討しやすくすることがポイントです。

車椅子への配慮が整った職場の探し方

車椅子用の設備が整った企業を探す際には、ハローワークや求人サイトなどの活用が一般的です。
ここでは、車椅子への配慮がされている求人の探し方について解説します。

ハローワーク

ハローワークは幅広い業種の求人情報を取り扱っている職業安定所です。
施設内の窓口から求人へ応募できるほか、自宅から日本各地の求人情報を検索できるウェブサイトも無料で利用できます。

ハローワークは履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策も実施している施設であるため、就職活動に慣れていない方でも利用しやすい施設です。
ハローワークで求職活動を行うには、窓口で求職申し込みの手続きを行う必要があります。

また、ハローワークには障害者雇用に対応した窓口も開設されており、応募先への連絡や就職後の定着支援といったサポートを受けられるようになっています。
一般の求人と障害者求人を両方取り扱っているほか、就職面接会が開催されているのも特徴です。

ハローワークは取り扱っている求人の件数が多いため、車椅子に対応した障害者求人を探す際に適している相談先といえるでしょう。

求人サイト

車椅子の方向けの求人情報を扱うサイトは近年増加傾向にあります。
求人検索から応募までをウェブサイト上で実施できるため、手軽に就職活動を進められることが特徴です。

履歴書・職務経歴書の書き方を学べたり、キャリアアドバイザーから転職サポートを受けられたりするサイトもあります。
大規模な求人サイトでは大手企業の求人紹介や障害内容に応じた転職サポートを実施していることがあるため、就職活動に慣れていない方でも職場を探しやすい点が求人サイトを利用する主なメリットです。

なお、求人サイトによって取り扱う求人の地域や業種は異なります。
就職活動を効率的に進めたい場合、複数の求人サイトへ登録して情報を探すことがポイントです。

人材紹介会社

障害者求人に特化した人材紹介会社では、応募先企業のピックアップや面接日程の調整、定着支援などを転職エージェントが担当してくれるシステムになっています。

人材紹介会社は企業と直接連絡を取っていることが多く、独自の求人情報を取り扱っているのが特徴です。
職場環境を具体的に紹介している求人が多く、面接時や就職後におけるトラブルを防ぎやすいというメリットもあります。

人材紹介会社を経由して応募を行う際には、年収・業種・勤務地といった希望条件を転職エージェントへ伝えることで、条件に適した企業の紹介を受けられるという流れになります。
初回登録時には転職エージェントと対面で打ち合わせを行う場合があるため、希望条件を事前に決めておくと就職活動をスムーズに進めやすくなるでしょう。

どのような企業へ就職を目指すかがある程度決まっている場合であれば、人材紹介会社への登録はおすすめの方法だといえます。

就労移行支援施設

就労移行支援施設では、障害者向けの職業訓練や求人紹介などを受けられるようになっています。
就労移行支援施設を利用し、職業訓練を受けるメリットは、基本的な業務スキルを得られたり、早い段階で仕事への慣れを感じられたりという点が挙げられるでしょう。

また、就労移行支援施設の中には、ハローワークや障害者職業センターといった公的機関と連携して求人紹介を行う所もあります。
職業訓練を受けながら就職へ向けて求人情報を確認できるため、就労移行支援施設は職業訓練から就職活動へと移行していきたい場合におすすめの方法です。

車椅子の方に適している仕事

近年では車椅子に対応した設備や環境が整っている職場を探す方法が増えており、車椅子の方が活躍できる仕事が多数ある状況です。
ここでは、車椅子の方に適した仕事を3種類ピックアップしてご紹介します。

事務職

事務職は求人件数が多く、デスクワークが主体となっているため車椅子の方にも適している仕事のひとつです。
ただし、企業によっては荷物の検品やコピー作業といった移動を伴う業務を依頼される場合があります。

求人件数が多いぶん、設備の導入状況や車椅子の方に対する対応は企業によって差が生じやすくなるでしょう。
他業種にも共通することですが、事務職を探す際には募集要項や求人媒体に記載された情報などを確認してから応募を検討する必要があります。

移動スペースの確保や業務内容の調整といった配慮に対応しているかを確認することが、就職活動をスムーズに進めるポイントとなるでしょう。

オペレーター

オペレーターはデスクワークを主体とする仕事であり、業務内容の関係上、勤務時間を調整しやすいのが特徴です。
通勤ラッシュの時間帯を避けた通勤や、休憩時間を何回かに分割するといった配慮を受けやすいことから、オペレーターは車椅子の方に適している仕事だといえます。

プログラマー

プログラマーは技術職であり、車椅子の方に適している仕事のひとつです。
プログラマーの業務はパソコンを使用して行うことが多く、メールや会議ツールなどで連絡を行えるというメリットがあります。

企業によってはクライアント先に常駐して仕事を行う場合があるため、車椅子用の設備や環境が整っているかは適宜確認が必要です。
十分な業務スキルがある方はフリーランスで収入を得るという方法もあるため、プログラマーは車椅子の方に適した仕事のひとつだといえます。

まとめ

車椅子の方が勤務できる職場を探す際には、バリアフリー設備や車椅子に対する理解がある企業を探すことがポイントになります。
デスクワークに分類される業種は車椅子の方に適しているといえますが、職場環境の整備や業務内容に対する配慮などが必要な場合は面接時に確認・相談をするのが重要になるでしょう。